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シーリング基礎知識

シーリング材から発生するガスと注意点

 シーリング材に発生するガスとしては硬化時に発生するガスと硬化後も発生するガスがあります。

 硬化時に発生するガスとしては変成シリコーン系やシリル化アクリレート系のはメタノール、ポリウレタン系やポリサルファイド系やアクリルウレタン系では炭酸ガス、シリコーン系ではオキシム、アルコール、ヒドロキシルアミンなどがあります。

 注意点としては、ポリウレタン系やポリサルファイド系やアクリルウレタン系などのイソアネート硬化形では、シリコーン系や変成シリコーン系やシリル化アクリレート系で発生するオキシム、アルコール(メタノール含む)、ヒドロキシルアミンと反応してしまう為、硬化が進まないことがあります。したがって周囲でシリコーン系や変成シリコーン系やシリル化アクリレート系を使用する場合は完全に硬化した後にイソシアネート硬化形を使用する事でこの現象を防ぐことができます。

  一方で硬化後も発生するガスとしては、シーリング材に含まれる有機溶剤があります。有機溶剤が揮発し高濃度になった場合、シックハウスの原因になる事があります。

 この対策として日本シーリング材工業会では平成17年に制定された「告示対象外建材表示ガイドライン」に則って平成18年にホルムアルデヒド・Fマーク自主管理制度を制定しました。ホルムアルデヒドが基準値以下の製品にはF☆☆☆☆の表記がついていますので、製品選定の参考にしてください。

 厚生労働省が濃度指針を示した揮発性有機化合物は13種類あり、この13種類の成分を基準値以下にした製品もあります。

 その他にも硬化後も継続して発生するガスにシリコーン系から放出される環状シロキサンがあります。半導体や電子デバイスへの影響が示唆されるため、この環状シロキサンの発生を抑えるクリーンルームに対応した製品もあります。